2007年2月19日

殿様商売が可能なドバイの不動産市場

今回は、ドバイの不動産屋事情に付いてお話しをしたいと思います。

物件を購入又は賃貸する場合には必ず、不動産屋の協力が必要になります。ヨーロッパですと、新聞の不動産欄のページには、よくオーナーから直接の販売や賃貸の案件なども載っており、不動産屋を通さずに物件を購入又は賃貸が出来るケースもあります。

当然この場合は、中間に業者(不動産屋)をとおしていませんので、手数料などが発生せず買う側や借りる側にしてみれば有利です。ドバイでは、このようにオーナーから直接というケースは稀で、殆どの物件が不動産屋経由での紹介になります。また、多くの物件は一つの不動産屋にてエクスクルシーブではなく、同じ物件を複数の業者が共有しているケースが多く、必然的に不動産屋と付き合うかたちになります。

それでは、実際にドバイの不動産屋の評判、サービス、クオリティーはどうなのかと言いますと、全てにおいて「最悪」の一言に尽きます。何が、最悪かと言いますと、それは最初のコンタクトに始まります。新聞などで、気になる物件があり電話をしてみますと、実際にその物件はなく、興味もない他の物件を勧めてきます。

例えば、2BRのコンドを探しているのに、3BRのコンドやVillaなど全く見当違いのものを平気で勧めてきます。次に物件視察のアポイントメントですが、30分送れてくるのは当たり前で、携帯電話で催促して呼び出さない限り物権のアポイントメントにも来ないというのは良く聞く話しです。

運よく、物件が見られた場合は、その場で決めるように催促されます。考慮や比較の待ち時間はなく、その場で即決しなければ他の客に回すと脅されます。そしてその場で決めても、他の不動産屋も同じ物件を持っていますので、実際には既に他の客に決まっていたということも良くあります。 このように、最初のコンタクトから最後のクロージングまで、全てに問題があるのがドバイの一般的な不動産屋事情であり、特にインド、パキスタン、イラン系の不動産屋の場合は要注意です。

さて、それでは何故ドバイではこのように不動産屋の質が低いのかといいますと、先ずはドバイでの不動産市場が自由化になってまだ4年程度と歴史が浅く、不動産業の経験や専門知識もない人の多くが不動産屋として開業したからです。

当時不動産業を開業するために特別な資格等必要はなく、誰もが不動産屋として開業が可能でありました。これが質低下、最大の原因であり、今年からやっと不動産業の開業に関しては、資金や資格などの制限が設けられました。しかし、これは新規に開業する場合のみに適応され、既存の業者には適応されませんのでこの措置にて不動産業者の質が上がるとはあまり期待できません。

そしてもう一つの理由は、ドバイの不動産市場が完全な売り手市場ということから、強気な殿様商売が可能であるということです。業者のレベルやサービスに関係なく、顧客は物件を必要としていることから、納得がいかなくても業者を使用せざる得ないというものです。

ここまで書きますと、読者の皆さんはドバイの不動産屋に不安を覚えるかと思いますが、弊社ではこのような経験から欧米系の厳選した不動産屋としか付き合わず、顧客と共に必ず物件の視察や契約には立会い不備がないよう努めています。

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